新見駅を出ると、曇天でした。廃線議論と相まって、少しどんよりとした心もちでしたが備後落合駅は初夏の様相でした。
山間の感じと、青い空と白い雲が爽快です。汗ばむ、陽気でした。
乗ってきた乗客は、皆さん駅舎のほうに流れていきます。木次線も、芸備線同様の議論が取りざたされています。
三次行きの列車が待っています。乗り継ぎの時間は、16分です。
三次方面から列車が来ます。新見方面から来た我々と合流し、駅は祭りのような賑わいです。
新見から来た人はここから折り返し、三次から来た人は新見行きに吸い込まれていきます。かなりの乗車率でした。一方、ここから三次方面に行くのは10人足らずというところでしょうか。いよいよ、寂しくなってきました。
姫新線もそうですが、山間部とは言いながらも広い田んぼの中を緩やかなカーブを列車が走ります。高徳線や土讃線は川の土手や山の縁に沿って線路が敷かれていることが多いので、田んぼにフラットに線路が敷かれてる風景を車内から見るとなんとも心が和みました。
ヒバゴンの比婆山駅です。水曜スペシャル、川口探検隊を思い出します。
小学校に上がる前くらいの娘さんと、お父さんがずっと仲良く乗っていました。二人で顔を近づけたりしながら、前面展望を楽しむ姿は本当に微笑ましかったです。娘さんの結婚式で、「お父さんと行った芸備線の旅、今でも私の記憶の中の宝物です。今まで育ててくれてありがとう」なんて言われたら、絶対に泣くなあなどと勝手に妄想をしていました。
備後庄原駅です。カープの人形が駅に置いてありました、この辺になると、近隣の学生が乗ったり下りたりします。
ここから乗り込んだおじさんが、カープ人形の写真を撮りたかったのか一旦乗って荷物を車内に置いたままホームに出ている間に、列車が発車しました。おじさんが慌てて、ボディーを叩いたのか列車が停車しました。
ほどなく三次駅に到着、乗り継ぎ時間は5分です。朝の岡山駅でのの乗り継ぎ、便所のくだりと重なります。
ワンマンの2両目に乗り込み同じ席に座ると、同じ光景が目に飛び込みます。キハに始まり、キハに終わる。そろそろ、芸備線の旅も終わりか、と感慨にふけりそうになりましたが広島まで余裕で1時間半もかかるとは、本州侮りがたし。
芸備線の余韻を噛みしめながら、快速列車は万感の思いを込めて広島駅に入線をしたのでした。
その⑦につづく。
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