丸の内電停に着く手前で妻から電話がかかってきます。妻にはぼんやりと「北に行く。富山方面」とか伝えてなかったので「今、富山にいる。凄く寒い。」と告げます。

電停からは富山城跡の公園が見えます。紅葉が西日本よりは進んでおり、紅葉を入れて写真を撮影します。

乗って来た方面と違う路面電車が走ります。こちらは、最新式の様です。

いずれの県においても、お城の周りはビジネス、行政の中心であることがほとんどです。富山もそうなのだろうかと、改めてグーグルマップを見ていると近くに滝廉太郎居住跡地を発見。滝廉太郎というと「荒城の月」ですが、荒城の月は大分のお城から見た景色だったとか、そうでもないとか。調べてみると、公務員の家柄のようで全国転勤を繰り返していたようです。なんと没年は23歳、考えられません。眼鏡つながりで「山月記」を書いた中島敦を連想しましたが、中島敦も没年は33歳。他人事のなので、すっかりスルーしていますがこれが自分の子供であったならばさぞかし無念であったろうといたたまれない気持ちになります。諸行無常、日々感謝の気持ちを持って過ごしていきたいと思う今日この頃です。

こちらは模擬天守で、資料館になっています。後ほど資料館に入ってみますが、どうやら富山城には天守は無かったようです。

これは当時のものが現存しているようです。

石垣も貴重です。


歴史を堪能しましたのでそろそろ本日の宿に向かいます。チェックインにはよい頃合いです。グーグルマップで経路を検索するともうすぐそこです。

なんとも怪しい地帯に入っていきます。

味がありますが、もうやっていない?ようです。でも今から見てみると、ポパイはやっているのか?

ナビゲートされた先は飲み屋街の雑居ビルです。飲み屋のママさんと、おじさんが何やら話をしていて間違いなく飲み屋ビルです。「マジでここか?」と思いつつ、エレベーターで3階に向かいます。

ここが入口です。

中は経験をしたことの無い異世界です。フロントのおじさんは丁寧に説明をしてくれ、アメニティーグッズは必要なものを持って行って欲しいと説明をしてくれます。部屋に入り暖房を効かせて地元テレビを見て過ごします。まだ違和感は若干感じるものの、ホテルの仕様がどうこうではなく「飲み屋の雑居ビルの中に昭和チックなホテルがある」という現実に馴染めないだけで、ホテルとしての機能としては必要十分な環境は整っています。本日の夕食の場所をネットで探しつつ、くつろぎます。6時半になりましたので、満を持して富山市最大の繁華街に繰りだします。

雨は降り続きます。フロントのおじさんに「サクッと呑める所を教えて欲しい」と伝えると、待ってましたと言わんばかりにマップを差し出します。最寄りのお店を2つ教えてくれたので早速行ってみます。

ネットで見ると繁盛店でなかなか予約が取れない感じの店です。

日本酒のラインナップが秀逸のようです。とりあえず、入ってみるとカウンターで2時間までならOKというので早速フェードインをします。

とりあえずビールを頼みます。こちらの名物を食べたいというと、白えびが有名というのでエビの揚げ物と刺し盛をオーダーします。

エビがやってきます。これを食べながら、ビールを飲みます。

刺し盛が来ます。板前さんが神妙な面持ちで刺身を切るのを、バイトの若者たちと見守ります。ベテランアルバイトか社員らしき人が、若手アルバイトに色々指示をしています。料理の順番が違うとか、お酒の出し方が違うとか。それを眺めながら黙々と酒を呑みます。下関の友人K君などは気軽に老若男女関わらず、明るく会話をしながらお酒を楽しむタイプですが、私の場合はお酒が呑めれば別に会話がどうこうは気になりません。酒を呑んで自分のペースでリラックスしながら、人の動きを観察しているくらが丁度よい感じです。

旬のものをというと「白子」が出てきます。これはなかなかの珍味でした。白子を堪能しながら、次々に来店する客を眺めます。「予約はしてないのですが・・・」という2人組は満席で残念。何やら会社の名前を告げる客がまた来たなどと、自分自身ではそれなりに楽しんでいたのですが、見かねたアルバイトの親玉が若手に「あの可哀そうな親父に何か話かけろ」と指令をしたようです。若手アルバイトから「観光ですか?」と問いかけられます。面倒なことになったと思いつつ「四国から来ました。富山は寒いですね」と常識人の私は返します。「香川にうどんを食べに行きましたが、すごく安いしおいしかったですよ」とガンガン喋ってきます。「若者よ、おじさんは沈黙に耐えられないような柔な男ではないのだよ。」と思いつつ面倒なので「地元の酒を飲ませろ」と丁寧にオーダーします。おちょこで3種類が呑み比べが出来るだの、ハーフでもいけるだのと説明を受けます。面倒くさいので「お兄さんが美味しいと思うのを普通サイズで」と気を使います。

そうこうしているうちにどんどん客が増えて、バイト君もてんてこ舞いでおじさんの相手どころではなくなったようです。カウンターにも常連が来たらしく、いぶし銀の板さんも軽口を叩いています。しかめっ面で刺身を盛っていると、えらく年を取って見えるものの実際は自分より年下だったりするのか?などと思いながら酒を呑みます。おかわりをしようとお兄さんに言うと有無を言わさず、おちょこが3つ並びます。

3つ飲みますが案の定、味の違いは分かりませんので「右端で」とさも分かったようにうなずきながら答えます。白子をつまみに、飲み干して1時間あまりで退店します。さすが、ネットでも評判の店でした。
まだ8時前なので富山市最大の歓楽街、桜木町を徘徊してみます。
その⑩につづく。
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